2015.10.07
定番だからこそ個性が際立つ!人気の「豆大福」4品を食べ比べ
食欲の秋まっただ中。和菓子の世界も、栗やぶどうなど、旬の味覚を使った変わりだねが楽しめる季節です。ですが、おもちとあんのおいしさを味わうなら、定番の「豆大福」が一番! 今回は伊勢丹新宿店食品フロアの人気店から、豆大福を4品ピックアップ。各店のこだわりが感じられる逸品を食べ比べてみました。
まずは、各店の大福を一列に並べてみました。こうして見ると、フォルムからもそれぞれの個性が伝わってきます。たとえば①<鈴懸>は小ぶりながら高さがあり、ころんとした出で立ち。一方、④<岡埜栄泉>は平らで大きく、ずっしりとした安定感があります。豆の見え方も、かわいらしくちょこんとのぞいているものもあれば、つつましくもちの中に隠れているものもあり、ひと口に「豆大福」といっても、人間と同じく十人十色なのです。
では、いただく前に半分にカットしてみましょう。豆大福の断面を、こうして並べて見るのは新鮮ですね。さぁ、ますますそれぞれの個性が際立ってきました。もちの薄さが際立つ①<鈴懸>に対し、②<仙太郎>はいかにも食べごたえがありそうな分厚いもちです。③<かんら>は粒あんがいまにもこぼれ落ちそうなほどたっぷり! ④<岡埜栄泉>は包丁を入れるとつぶれてしまうほどやわらかいです。「お店によってあんの炊き方も違うので、食べ比べるときはそのあたりに注目してみてください」とは、三越伊勢丹和菓子担当アシスタントバイヤー・遠藤理紗さんの弁。遠藤さん自身、和菓子の中で大福が一番好きだそうで、その理由は「もちが艶っぽいから」。では、遠藤さんと一緒に食べ比べスタートです!
①たたずまいと同様に上品で繊細。鈴懸「塩豆大福」
小ぶりでかわいらしい印象の「鈴懸」の豆大福。契約農家で栽培した山形の彦太郎もちに包まれているのは、甘さあっさりのこしあん。自社で炊き上げた北海道産の赤えんどう豆の塩気がほんのり効いています。「おもちがやわらかくておいしいですね」(遠藤さん)。上品な味わいなので、女性への手みやげやおもてなしに重宝しそう。
②大粒の黒豆がアクセントのずっしり系 仙太郎「黒豆大福」
店頭はいつも行列でにぎわっている<仙太郎>。大ぶりの丹波産の黒豆が入った、重量感のある大福です。もちは羽二重もち米を使っているため弾力があり、食べごたえも満点! ですが、意外とあんがあっさりしているので、お腹にもたれることなくパクパクといただけます。「やっぱり、黒豆の存在感がすごい! 風味もありますね」(遠藤さん)
③あんが際立つ! お店の一番人気。かんら「豆大福」
「もちのおいしさを最大限活かす」ように作られた粒あんは、小豆の味がなんとも濃厚。ひと口食べると、その存在感が口いっぱいに押し寄せてくるので、あん好きにはイチオシです。もちはかたくならないよう、出荷ギリギリについているそう。「もち皮も厚めなので、『おもちを食べている』感がすごくありますね。もち好きの私も大満足です」(遠藤さん)。
④しょっぱい豆ともち皮に、甘さ控えめのあん。岡埜栄泉「豆大福」
和菓子によって使うあんを変えているという<岡埜栄泉>。豆大福のあんは、塩気のある赤えんどう豆を引き立てるようやや甘めに。もち皮も塩気を効かせているので、ひと口食べた瞬間「しょっぱい!」と思いますが、そこにやさしいあんの甘さが加わって、お互いを引き立て合うよう。「しょっぱさと甘さのコントラストがいいですね」(遠藤さん)。
同じような材料を使って作られる、定番の豆大福だからこそ、比べてみると違いがよくわかります。大ぶりなものが多く、ボリュームがあるので、軽食としてもぴったり。もち好きも、あん好きも、いずれも満足させてくれる名店の味を、ぜひ味わってみてください。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=甘の味/鈴懸、仙太郎、かんら、名匠銘菓にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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